スペイン語の指示形容詞と指示代名詞!使い方と文法ルールを徹底解説

スペイン語の文法

スペイン語を話す上で、物や人を指し示す表現はとても重要です。その中でも、指示形容詞と指示代名詞は、対象を特定するために不可欠な文法項目です。

これらは、「この〜」「それ」「あれ」といった形で使われ、日常会話で頻繁に登場します。しかし、日本語や英語とは異なり、スペイン語の指示形容詞と指示代名詞は、対象の性別や数に応じて形が変化します。

この記事では、指示形容詞と指示代名詞の文法ルールや具体的な使い方、例文を用いて詳しく解説していきます。初心者でも理解できるよう、基本から丁寧に説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

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指示形容詞とは?

指示形容詞(adjetivos demostrativos)は、名詞の前に置かれて「この〜」「その〜」「あの〜」といった形で対象を指し示します。日本語でも「この本」「そのペン」「あの車」といった言い方をしますが、スペイン語ではこれが名詞の性(男性/女性)や数(単数/複数)に応じて変化します。

つまり、男性名詞には男性形の指示形容詞を、女性名詞には女性形の指示形容詞を使い、また単数か複数かによっても異なります。

指示形容詞の種類と使い方

指示形容詞は、物や人が話し手や聞き手にどれくらい近いかによっても使い分けられます。スペイン語には、次の3種類の距離に応じた指示形容詞があります。

  1. este/esta(この〜)
    • 話し手に最も近いものを指します。「この〜」に相当します。
    • 例:Este libro(この本)、Esta casa(この家)
  2. ese/esa(その〜)
    • 聞き手に近い、もしくは話し手と聞き手の両方から少し離れたものを指します。「その〜」に相当します。
    • 例:Ese coche(その車)、Esa mesa(そのテーブル)
  3. aquel/aquella(あの〜)
    • 話し手と聞き手の両方から遠くにあるものを指します。「あの〜」に相当します。
    • 例:Aquel árbol(あの木)、Aquella montaña(あの山)

指示形容詞の活用表

性別距離単数形複数形
男性近いesteestos
女性近いestaestas
男性少し離れているeseesos
女性少し離れているesaesas
男性遠いaquelaquellos
女性遠いaquellaaquellas

例文

  • Este coche es nuevo.(この車は新しいです)
  • Esa mesa es grande.(そのテーブルは大きいです)
  • Aquella montaña es hermosa.(あの山は美しいです)

指示形容詞は、基本的に名詞の前に置かれ、名詞の性や数に合わせて変化します。この点が、日本語や英語とは異なるため、注意が必要です。

指示代名詞とは?

指示代名詞(pronombres demostrativos)は、名詞を省略して「これ」「それ」「あれ」といった形で使います。つまり、指示代名詞は指し示す対象が既に文脈で明確になっている場合に、名詞を繰り返す代わりに使う表現です。

指示形容詞と同様に、対象の性別や数に応じて変化しますが、代名詞として名詞を直接含まないため、独立して使われます。

指示代名詞の種類と使い方

指示代名詞も、距離によって次の3種類に分類されます。

  1. éste/ésta(これ)
    • 話し手に近いものを指します。
    • 例:Éste es mi libro.(これは私の本です)
  2. ése/ésa(それ)
    • 聞き手に近い、もしくは少し離れたものを指します。
    • 例:Ése es tu coche.(それは君の車です)
  3. aquél/aquélla(あれ)
    • 話し手と聞き手の両方から遠くにあるものを指します。
    • 例:Aquél es su edificio.(あれは彼のビルです)

指示代名詞の活用表

性別距離単数形複数形
男性近いésteéstos
女性近いéstaéstas
男性少し離れているéseésos
女性少し離れているésaésas
男性遠いaquélaquéllos
女性遠いaquéllaaquéllas

例文

  • Ésta es mi mochila.(これは私のリュックです)
  • Ése es el problema.(それが問題です)
  • Aquéllos son nuestros amigos.(あれらは私たちの友達です)

指示代名詞は名詞の代わりに使われるため、文脈によって何を指しているのかが明確である必要があります。

指示形容詞と指示代名詞の違い

指示形容詞と指示代名詞の違いは、形容詞が名詞を伴って使われるのに対して、代名詞は名詞を省略して使われる点です。つまり、指示形容詞は**「この本」「その車」のように具体的な名詞と一緒に使われ、指示代名詞は「これ」「それ」**のように名詞を示す言葉自体を省略します。

例文での比較

  1. Este coche es rápido.(この車は速い)→ Éste es rápido.(これは速い)
  2. Aquella casa es grande.(あの家は大きい)→ Aquélla es grande.(あれは大きい)

指示形容詞では「coche」や「casa」といった名詞が後に続きますが、指示代名詞では名詞が省略されています。

中性の指示代名詞

スペイン語には、性別や数に関係ないものを指す中性の指示代名詞も存在します。これは、具体的な物ではなく、状況や事柄を指す際に使われます。これにより、特定の物ではなく、抽象的な対象を指し示すことができます。

中性の指示代名詞

  • esto(これ)
  • eso(それ)
  • aquello(あれ)

例文

  • ¿Qué es esto?(これは何ですか?)
  • Eso no me gusta.(それは好きではありません)
  • Aquello fue increíble.(あれはすごかった)

中性の指示代名詞は、性別や数に依存しないため、話し手にとって明確な対象がない場合や、事柄を指すときに非常に便利です。

指示形容詞・指示代名詞の位置と使い方のコツ

指示形容詞の位置

  • 指示形容詞は必ず名詞の前に置かれます。
  • 例:Este libro(この本)

指示代名詞の位置

  • 指示代名詞は名詞の代わりに使われるため、独立して文中に現れます。
  • 例:¿Qué es ésto?(これは何ですか?)

距離による使い分け

  • este:話し手に近いものを指す(例:Este coche
  • ese:少し離れたもの、または聞き手に近いものを指す(例:Ese coche
  • aquel:話し手と聞き手の両方から遠いものを指す(例:Aquel coche

使い分けのポイントは、話し手と聞き手の距離感を意識し、対象がどれくらい近いか、また文脈で誰に対して言っているかを考慮することです。

間違いやすいポイント

指示形容詞と指示代名詞には、いくつかの間違いやすいポイントがあります。

指示代名詞のアクセント

  • かつては、指示代名詞にアクセント(ésteéseaquélなど)がつけられていましたが、近年ではアクセントが省略されることが多くなりました。とはいえ、アクセントがある場合は、代名詞であることを強調する形になります。

性と数の一致

  • 指示形容詞と代名詞は、指し示す対象の性別や数と一致させる必要があります。この一致を間違えると、文法的に誤った文章になるため、注意が必要です。

まとめ

指示形容詞と指示代名詞は、スペイン語の日常会話で非常によく使われる表現です。対象の物や人が話し手に近いのか、少し離れているのか、遠くにあるのかによって、使う形が異なります。また、名詞の性別や数に応じて形を変える必要があるため、このルールに慣れることが重要です。

指示形容詞は名詞と一緒に使われ、指示代名詞は名詞の代わりに使われる点をしっかり区別し、日常の会話や文書で自然に使いこなせるようにしましょう。

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