スペイン語の動詞『poder』の使い方と活用を徹底解説

スペイン語を学ぶ上で、動詞「poder」は必須の単語の一つです。この動詞は「できる」「可能である」といった意味を持ち、日常生活でも頻繁に使用されます。英語で言う「can」や「may」に相当し、他者とのコミュニケーションにおいて不可欠です。

また、poder は不規則動詞であり、時制ごとの活用が異なります。そのため、この動詞の活用をしっかり覚えることは、スペイン語を効果的に使いこなすために非常に重要です。本記事では、「poder」の基本的な意味から活用方法、実際の使い方やよく使われるフレーズまで、初心者でも理解できるように詳しく解説していきます。

「poder」の基本的な意味と使い方

「poder」は非常に多機能な動詞で、能力を表す以外にもさまざまな状況で使われます。ここでは、「poder」がどのように使われるか、代表的な用法を紹介します。

能力を表す

「poder」は、何かが「できる」という能力や可能性を示す際に使用されます。この用法は、日常的な会話で最もよく使われる形です。

例文
- Puedo hablar español.（私はスペイン語を話すことができます）
- ¿Puedes nadar?（君は泳げますか？）

この文脈では、能力や許可を尋ねたり表現したりするのに非常に便利です。

許可を表す

「poder」は許可を与えるまたは求める場合にも使用されます。英語の「may」に相当する意味で使われます。

例文
- ¿Puedo sentarme aquí?（ここに座ってもいいですか？）
- Puedes usar mi coche.（私の車を使ってもいいですよ）

これにより、丁寧に相手に許可を求めたり、許可を与えたりすることができます。

推測を表す

「poder」は、何かが「～かもしれない」という意味で、推測や仮定を表す際にも使用されます。確信がない状況や、ある程度の可能性を述べるときに使われます。

例文
- Puede que llueva hoy.（今日は雨が降るかもしれない）
- Puede ser que llegue tarde.（彼が遅れて到着するかもしれない）

この用法は、特に天気予報や予定が不確実な状況でよく使われます。

「poder」の時制ごとの活用

「poder」は不規則動詞なので、主語や時制に応じて活用が変わります。ここでは、最も重要な時制での活用を紹介します。

現在形（presente de indicativo）

日常会話で頻繁に使われる現在形です。

主語	活用	日本語訳
yo	puedo	私はできる
tú	puedes	君はできる
él/ella/usted	puede	彼/彼女/あなたはできる
nosotros/nosotras	podemos	私たちはできる
vosotros/vosotras	podéis	君たちはできる
ellos/ellas/ustedes	pueden	彼ら/彼女たちはできる

点過去（pretérito perfecto simple）

点過去は、特定の過去の出来事や瞬間を表す時制です。過去の一度きりの行動を表す場合に使われます。

主語	活用	日本語訳
yo	pude	私はできた
tú	pudiste	君はできた
él/ella/usted	pudo	彼/彼女/あなたはできた
nosotros/nosotras	pudimos	私たちはできた
vosotros/vosotras	pudisteis	君たちはできた
ellos/ellas/ustedes	pudieron	彼ら/彼女たちはできた

線過去（pretérito imperfecto）

線過去は、過去における習慣や継続した状態を表す時制です。過去のある期間続いた行動や状態を表現する際に使用します。

主語	活用	日本語訳
yo	podía	私はできた
tú	podías	君はできた
él/ella/usted	podía	彼/彼女/あなたはできた
nosotros/nosotras	podíamos	私たちはできた
vosotros/vosotras	podíais	君たちはできた
ellos/ellas/ustedes	podían	彼ら/彼女たちはできた

未来形（futuro de indicativo）

未来における可能性や予定を表す時制です。

主語	活用	日本語訳
yo	podré	私はできるだろう
tú	podrás	君はできるだろう
él/ella/usted	podrá	彼/彼女/あなたはできるだろう
nosotros/nosotras	podremos	私たちはできるだろう
vosotros/vosotras	podréis	君たちはできるだろう
ellos/ellas/ustedes	podrán	彼ら/彼女たちはできるだろう

接続法（subjuntivo）

接続法は、不確実なことや、希望、要求などを表す時制です。

主語	活用	日本語訳
yo	pueda	私ができることを望む
tú	puedas	君ができることを望む
él/ella/usted	pueda	彼/彼女/あなたができることを望む
nosotros/nosotras	podamos	私たちができることを望む
vosotros/vosotras	podáis	君たちができることを望む
ellos/ellas/ustedes	puedan	彼ら/彼女たちができることを望む

「poder」を使ったよくあるフレーズ

「poder」を日常的に使えるようになるためには、よく使われるフレーズを覚えることが効果的です。ここでは、代表的なフレーズをいくつか紹介します。

能力を尋ねるフレーズ

¿Puedes ayudarme?（手伝ってくれますか？）
¿Puedo abrir la ventana?（窓を開けてもいいですか？）

許可を求めるフレーズ

¿Puedo sentarme aquí?（ここに座ってもいいですか？）
Puedes usar mi bolígrafo.（私のペンを使ってもいいですよ）

推測を表すフレーズ

Puede que no venga.（彼は来ないかもしれない）
Puede que haga frío mañana.（明日は寒いかもしれない）

「poder」と他の動詞との違い

スペイン語では、「できる」という意味を表す動詞がいくつか存在しますが、状況に応じて使い分ける必要があります。ここでは、「poder」と「saber」や「deber」との違いについて説明します。

「poder」と「saber」の違い

poder は何かをする「能力」や「可能性」を表すのに対し、saber は何かをする「方法を知っている」という知識に焦点を当てた動詞です。
例
- Puedo nadar.（泳ぐことができる）
- Sé nadar.（泳ぎ方を知っている）

「poder」は、その瞬間に行動を取れるかどうかの可能性を示す場合に使われ、「saber」は特定の技能や知識に基づいてその行動ができることを示します。

「poder」と「deber」の違い

poder は「できる」、deber は「～しなければならない」や「すべきだ」という意味で使われます。つまり、「poder」は可能性や許可を表し、「deber」は義務や責任を強調します。
例
- Debo estudiar.（勉強しなければならない）
- Puedo estudiar.（勉強することができる）